第7回/全17回防錆紙と防錆油の使い勝手のちがい(2) - 気化性防錆紙(adpack)製造販売|アドコート株式会社
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Column 技術屋の解説

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2013.11.21

第7回/全17回防錆紙と防錆油の使い勝手のちがい(2)

今回は、前回の続きで防錆紙と防錆油の使い勝手のちがいについて取り上げました。

防錆紙と防錆油の比較シリーズも今回が最終回になります。

表5を見てください。前々回の表3や、前回の表4と同じように、評価の欄のマーキングが左にあるほど望ましいことを表わしています。

最初の「a 認知度」とは世の中にどれほど知られているかということですが、防錆紙は防錆油の足元にも及ばないほどのマイナーな存在でしょう。このコラムを立ち上げたのも防錆紙をもっと知ってほしいとの想いからです。

「b 使い方の自由度」は私の主観がかなり入った見方かと思いますが、防錆油は対象となる金属製品に塗布する使い方に限られるのに対して、防錆紙は、金属製品を直接包むラッピングで使うことも、ポリエチレンの袋などに金属製品と一緒に入れるという、いわば防錆剤の担体としての使用も可能です。後者の使い方では、どのくらいの量の防錆紙を使うのか、金属製品の上に置くのか下に敷くのかといった自由度もあります。

「c 外装が必要かどうか」については、防錆紙をラッピングで使用するならば、基本的には外装はいりません。金属製品の商品名などを防錆紙に印刷することも可能です。それに対して防錆油は、金属製品に塗られた油が汚されるのを防ぐために、また油で周囲を汚さないためにも、外装が必要になります。

最後の「d 作業環境汚染」は、防錆紙のほうがより良いことがはっきりしているでしょう。防錆油を用いている現場では、防錆油が金属製品から滴り落ちて床を汚し、落ちた油を完全に除去することが難しいために床がすべりやすくなります。そうすると作業者の身を危険にさらすことになってしまいます。一方、防錆紙を使う現場では、不要な切れ端など防錆紙が床に落ちていたら拾えばきれいになりますから、作業環境を保全しやすくなるでしょう。実際に、作業者の安全確保を理由に、防錆油の使用を止めた例はいくつもあります。そのような会社から防錆紙への切替をフォローしたことに感謝されると、研究技術屋でも社会に役立ったという満足感を得て心豊かになります。

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